コラム
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2017/09/01
山登りと歯磨き?
最近ハマりぎみなのが、美しい山々を望み、自然を満喫できるプチ登山。平日のビジネスデーにおいても週末の天気予報ばかりチェックしている、困った?登山初心者です。関東在住の筆者は、連休や有給を駆使して北アルプスにいそいそと出かける日々を送っています。
さて、登山を楽しむには山の掟、ルール、マナーというものを守らなければなりません。そのような山のルールの一つに「歯磨き」があります。登山者にとって「歯磨き」は十分に注意しなければならない行為なのです。
ご想像いただけると思いますが、山では「水」がとても貴重になります。山荘や山小屋でトイレをお借りすると、必ず「水は大事にお使いください」といった旨の張り紙がしてあります。このような施設の水は、わざわざ下界から運ぶか、雪解け水や雨水を貯蔵するなど、苦労して確保されていることがほとんどです。もし野営キャンプをするなら、自ら運ばなければなりませんのでその貴重さは身に沁みてわかりますね。
そのような貴重な水を「歯磨き」でジャブジャブ、ガラガラと大量に使ってはならないのです。
さらに山での「歯磨き」は歯磨き粉を使わない、というのが基本です。山小屋には「歯磨き粉禁止!」といった張り紙がしてあるところもあります。つまりどうしても歯を磨きたければ少量の水でブラッシングだけ。もしくは歯間ブラシでこするだけ。
本格登山をするような山中には浄水施設がありません。歯磨き粉を用いた「歯磨き」は、吐き出された歯磨き粉がそのまま自然の沢などに流れていきます。美しい自然や生態系を守るために、山では歯磨き粉を使用しないことが登山者に求められるマナーなのです。(N.B.) -
2017/08/18
CAD/CAMってなに
一般的にCAD/CAMと聞くと、CAD/CAMという一つの言葉?と思います。 CADとは、Computer Aided Designの頭文字で、日本語では「コンピューターによる支援設計」となり、設計図面や製品形状をコンピューター画面上に作成するためのソフトウェアを意味するようで、私たちも家の改装や新築時に間取りなどをコンピューター上で設計し、ビュジュアル化してわかりやすく見せてもらうことがあります。CAMとは、Computer-Aided Manufacturingの頭文字で、日本語では「コンピューター支援による製造」のようで、コンピューター内部で設計モデルを作成し、これに基づいて工作機械やロボットを制御して建造物などを製造するもので、現在では多様な産業に利用されているようです。
一方、歯科の中でのCAD/CAMと聞くと、CAD/CAM冠?でしょうか。平成26年度の診療報酬改定により、歯科用CAD/CAM装置を用いてハイブリッドレジンブロックから削り出された小臼歯部の歯冠補綴であるCAD/CAM冠が保険導入されましたので、保険で金属ではない白い歯に治すことができるようになりました。
歯のないところには、インプラントを埋入し噛める状態に歯を作る。そこにCAD/CAMの技術が利用されることで歯(補綴物)を作る技術もどんどん進化しています。
最近では、歯を作る際の歯型取り(印象採得)も、デジタル化で簡単にできてきているようです。更に短時間で冠(補綴物)が装着できるようになるなど可能性が広がっています。
暑さもまだまだ続くと思いますが、野球やサッカーのナイター観戦で大きく口をあいて応援しても、白くきれいに輝く歯でいられますように今すぐ歯医者さんでお口のメンテナンスをいたしましょう。 -
2017/07/03
歯医者さんって…何者?
歯医者さんって何者?医科で言うと何科?…何を言ってるの?歯科は歯科でしょう!
以前、総合病院や医科大学付属病院内にある歯科・口腔外科のデジタルデータ医科歯科一元化をする仕事をしていた時に、コンピューターメーカー、ソフトウェア販売のシステムエンジニアや病院事務、情報管理室の職員さんから「歯科って…医科で言うと何科に当たるの?」という質問がありました。また、こんな話もありました。歯科用CTが発売され始めた頃、ある歯科医院で年配のご婦人に歯科治療を進めるうえでCT撮影が有効と判断し、30分かけて説明されました。何とかCT撮影の必要性を理解していただき帰宅なさいましたが、撮影の当日になって撮影を断わられたそうです。というのもご主人にCT撮影の話をされたところ「歯医者でCT撮影?必要なの?検査料取るためじゃないの?」と言われ、考えを改められたようです。先生は「30分かけて説明したのに無駄になった。どう説明すればいいと思う?」と私に尋ねられました。
歯科治療は歯が痛くなれば痛みを止めて、悪くなった患部を削り取って詰め物をする…歯科医療と深くかかわったことがない方にとってはその程度かも知れません。近年、歯科用CTやマイクロスコープ等の先進機器が歯科医療に導入され急速に普及していますが、これら先進機器が普及し始めた2001年頃から私にとっての歯科のイメージは大きく変わりました。
歯科医療は外科!歯科医師は外科医!毎日がオペ!
ちょっと極端かも知れませんが、「歯科=外科、歯科医師=口腔外科医」と考えると最近の歯科医療界の動向が理解できます。毎日が「オペ」とすれば「オペ」前のCT検査は当たり前。更にカウンセリング、治療計画の説明、患者の意思を尊重した治療法の選択、精度の高い手技とそれをサポートする先進機器の普及、高度な感染管理などの必要性が理解できます。今、歯科医療は一般の医科の治療と同等以上の重要性を持つようになってきました。また、健全な口腔機能の維持が全身の健康にも良い事は国民に周知されるようになってきています。
私たち歯科医療に従事する者は、一本の歯を抜歯するという事は、手の指を一本なくすようなものと言う事を改めて知るべきであると共に、患者さんがより豊かなQ.O.L.( Quality of Life) を過ごせるように「安全・安心」な医療器材を提供する事で国民の健康寿命の延伸に貢献できることを知るべきではないでしょうか。また、今年になってから歯科医療における「再生医療」のお話を2週続けて聞く機会がありました。歯根膜が施されたインプラントフィクスチャーの開発や「歯の種」も出来るようです。次世代の歯科医療の形がおぼろげながらも見えてきたように思います。
どうでしょう、医科と歯科における術者の姿勢…似ていると思いませんか?<M.T.>
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2017/06/05
歯にまつわる記念日
6月は1年のなかで唯一、祝日がありません。一昨年までは8月も同様に祝日がなかったのですが、「山の日」の制定により6月だけとなってしまいました。学生の頃、土日以外に休みのない6月は何となく嫌いだったのですが、これ以上学校の授業時間数を減らせないという理由から、今後も6月の祝日はなさそうです。
ところで6月には6月4日の「むし歯予防デー」とこれに関連した「歯と口の健康週間」(6月4日~10日)が知られていますが、1年を通じてこれ以外にもさまざまな歯にまつわる記念日があるのをご存知でしょうか。
代表的なものを挙げると、
4月 2日「歯列矯正の日」歯列矯正の重要性をPRするために2001年に制定。
4月18日「良い歯の日」日本歯科医師会が1993年に制定。
4月29日「歯肉ケアの日」企業が制定。
6月 1日「矯正歯科月間の日」特定非営利活動法人日本成人矯正歯科学会が制定。
7月25日「知覚過敏の日」725(夏氷=かき氷=冷たい食べ物)から。
8月 8日「歯並びの日」8(歯)8(笑い声のハ)の語呂合わせ。
10月 8日「入れ歯ケアの日」全国保険医団体連合会などが1992年に制定。
11月 8日「いい歯の日」日本歯科医師会が「8020運動」推進の一環として制定。
11月 8日「いい歯並びの日」一般社団法人日本矯正歯科学会が制定。
といった記念日があります。
最近では「お口の健康は全身の健康の源」と言われ、様々な研究によって歯周病と全身の健康との関係も明らかになってきています。健康な毎日を過ごすためにも、口腔ケア(お口の中のケア)を大切にしましょう。(E.H)
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2017/05/08
体の正しい位置
週に一回、家族と祖父母の手も借りて、なんとかヨガ教室へ通えています。
ヨガでは、ただ立つだけの姿勢が“タダーサナ”という一つのポーズになっているのですが、普段の自分の立ち姿はタダーサナとは程遠く、体の部位ひとつひとつに 意識を向けて修正していきます。
足指の向きや膝の向き、太腿のどこを緊張させるか、下腹部の力の入れ方、尾てい骨の向き、胸や肩の開き具合、腕や手の位置、頭の重心、顎の角度、そして舌の位置までもが決まっています。
さて、舌の位置と歯並びや呼吸には 密接な関係があることをご存知でしょうか? あなたの舌は今、口の中のどこに触れていますか?
いつも上の前歯にくっついているなら歯並びに影響を与えているかもしれませんし、下の前歯にくっついていたら口呼吸になっているかもしれません。
正しい舌の位置は、舌先が上の前歯の少し後ろにあるスポットと呼ばれる膨らみに触れている状態です。舌は筋肉の塊ですから、衰えれば正しい位置を保てません。
最近では脳トレよりも筋トレといわれる程、筋肉の大切さが分かってきました。舌も忘れずに筋トレする必要がありそうです。
最後に、産後太りで始めたヨガも早5年‥‥‥。一向に戻る気配はありませんが、目標をエクササイズからアンチエイジングへ変え、続けていこうと思っています。
(I.T.) -
2017/04/03
鳥の虫歯
4月の桜の時期を待つ間、川べりでは色々な鳥が春の準備をします。京都の賀茂川ではマガモ、アイガモ、カルガモが草や藻を食べて川を掃除し、オオバンやキンクロハジロ、カイツブリが水中に増え始めた魚や貝を漁り、アオサギやコサギ、ダイサギがコイやナマズを丸のみにして体力を蓄えます。アオサギのオスはそのクチバシを赤く染めて求愛の準備をしますが、上空ではトビが行楽客のお弁当やパンを狙って旋回しています。子育てを控えてエサを取るのに必死なトビは、ときには猛禽類の本領を発揮してコイを捕まえて巣に持ちかえり、パートナーに分け与えます。川にはコイやナマズの他の魚も増え始め、カワウやカワアイサは潜水してこれらを捕まえて丸のみにします。
写真:キンクロハジロとカワアイサ(手前)