日本歯科インプラント器材協議会

コラム

2017/07/03

歯医者さんって…何者?

歯医者さんって何者?医科で言うと何科?…何を言ってるの?歯科は歯科でしょう!

以前、総合病院や医科大学付属病院内にある歯科・口腔外科のデジタルデータ医科歯科一元化をする仕事をしていた時に、コンピューターメーカー、ソフトウェア販売のシステムエンジニアや病院事務、情報管理室の職員さんから「歯科って…医科で言うと何科に当たるの?」という質問がありました。また、こんな話もありました。歯科用CTが発売され始めた頃、ある歯科医院で年配のご婦人に歯科治療を進めるうえでCT撮影が有効と判断し、30分かけて説明されました。何とかCT撮影の必要性を理解していただき帰宅なさいましたが、撮影の当日になって撮影を断わられたそうです。というのもご主人にCT撮影の話をされたところ「歯医者でCT撮影?必要なの?検査料取るためじゃないの?」と言われ、考えを改められたようです。先生は「30分かけて説明したのに無駄になった。どう説明すればいいと思う?」と私に尋ねられました。
歯科治療は歯が痛くなれば痛みを止めて、悪くなった患部を削り取って詰め物をする…歯科医療と深くかかわったことがない方にとってはその程度かも知れません。近年、歯科用CTやマイクロスコープ等の先進機器が歯科医療に導入され急速に普及していますが、これら先進機器が普及し始めた2001年頃から私にとっての歯科のイメージは大きく変わりました。

 歯科医療は外科!歯科医師は外科医!毎日がオペ!

 ちょっと極端かも知れませんが、「歯科=外科、歯科医師=口腔外科医」と考えると最近の歯科医療界の動向が理解できます。毎日が「オペ」とすれば「オペ」前のCT検査は当たり前。更にカウンセリング、治療計画の説明、患者の意思を尊重した治療法の選択、精度の高い手技とそれをサポートする先進機器の普及、高度な感染管理などの必要性が理解できます。今、歯科医療は一般の医科の治療と同等以上の重要性を持つようになってきました。また、健全な口腔機能の維持が全身の健康にも良い事は国民に周知されるようになってきています。
私たち歯科医療に従事する者は、一本の歯を抜歯するという事は、手の指を一本なくすようなものと言う事を改めて知るべきであると共に、患者さんがより豊かなQ.O.L.( Quality of Life) を過ごせるように「安全・安心」な医療器材を提供する事で国民の健康寿命の延伸に貢献できることを知るべきではないでしょうか。また、今年になってから歯科医療における「再生医療」のお話を2週続けて聞く機会がありました。歯根膜が施されたインプラントフィクスチャーの開発や「歯の種」も出来るようです。次世代の歯科医療の形がおぼろげながらも見えてきたように思います。
どうでしょう、医科と歯科における術者の姿勢…似ていると思いませんか?<M.T.>